鉛板をペースにしたアクセサリーの作り方
 
 真鯛釣りのスプーンをアワビ、アコヤ貝の貝殻、鉛の板で製作していたところ、これを見た姉が「アクセサリーに出来ないか」と言ったことがきっかけで、最初は、スプーンと同じように作りました。特に、アコヤガイを貼り付けた銅板のスプーンが、パーティなどのうす暗いところで異様に反射するらしく、遠くにいた人に、「それ何ですか」と尋ねられたとのことで、なかなかの評判でした。アコヤガイは丸くなれば真珠ですので、美しいのは当然かと思います。
 ここでは、比較的作りやすい厚さ2mm鉛の板を使ったアクセサリーの作り方を紹介します。 鉛板を円形、五角形、六角形などに加工し、これにアワビの貝殻を貼り付け、模様を施したり、夜光塗料で飾ったり、ルアー用のホログラムシール、金、銀、夜光テープなどを張ってデザインします。アコヤガイは東北地方では手に入れるのが難しいのですが、仕事上、愛媛県の貝が手に入り、実験後、余ったものを使っています。また、銅板をたたいて、凹面を作り、貝殻の裏面に貼り付けて作ります。銅板をたたくとき少し技術がいります。接着剤の代わりに、自然素材で抗菌・消臭効果のある建材の「チャフウォール」を使用しています。
 
用意する材料、工具等
厚さ2mmの鉛板
 町の工場に工具や工作機械を納めている会社があれば、鉛板の切り売りをしてくれます。一般の方には馴染みがないお店ですので見つけるのは大変です。
  鉛板の通販  http://www.outdoor-kozo.com/item.cgi?item_id=d0521&ctg_id=d05&page=1など
   ◎サイズ 2mm厚  90×180mm 1枚 税込み650円
 
金切りばさみ あるいは刃の部分の長さが70mm程度のハサミ。普通のハサミでも切り出し可能です。
二液性の透明な接着剤 化学反応を起こすので空気に触れない部分も乾きやすい。
 例えば,セメダインハイスーパー30,クリヤー。 一液性は 例えば,ボンドSU,クリヤー、コニシ(株)。
金切り鋸 鋸刃の幅が小さいもの、貝殻の切り出しは、金属用糸鋸が最適 いずれもインターネットで購入可能。工具等を扱っている店があれば注文可能。
(1) (株)エンジニア 厚さ0.37mm,幅0.9mm,歯数47/in,長さ130mm 貝殻用(TN-15)。
  http://www.engineer.jp/products/tn01_05/tn01_05_10_19.html
(2) ヘラクレス,ベローバ製 厚さ0.3mm,幅0.63mm,歯数19/cm,長さ130mm
  http://www.japan-hoby-tool.com/choukin/nokoba/detail.html
1.5,2.0, 3.0mm径のドリル刃とドリル
水性のつやだしニス(和信ペイント(株))は安価でかなり良い仕上がり。
二液性夜光塗料、例えば、東邦産業(TOHO.Inc)「夜光プラスタ」、釣具店かDIY店で購入可能。
型紙用厚紙  例えば、学校教育工作用紙(いわゆるボール紙、グラフ用紙の厚紙のようになっている、A3),DIY店 など

1cm間隔の目盛りがある厚紙
 
円切り用カッター サークルカッター  http://www.nsgd.co.jp/sbd/morder_catarog/enkiri.htm
 鉛板に張るルアー用のホログラムシールや厚紙の型紙の円形切断に使用。コンパスの一方にカッターの刃が付いています。
書類用穴あけパンチ  カラーシートやホログラムシールの5mm程度の直径の円形を作成し、模様として貼り付ける。

DECAdry レタリング用品 こすると転写できる。白色  ユニオンケミカー(株) http://www.union-c.com/
 マダイ釣り用のスプーンはこのレタリングシールを貼ってから、このシールの上に夜光塗料を楊子で塗りつけている。

ホログラムシール  釣具店のルアーなどの自作コーナーで他種類の製品が手に入る。5cm×30cmの大きさで、のり付き
アワビの貝殻の選択とクリーニング
 大きめのアワビを手に入れる。凹凸が少なく、大きい型が取れる。結構、真珠色を失っているものも多いので、模様が良いもの,外面、内面がきれいなものを選ぶ。あらかじめ内面を歯ブラシと歯磨き粉を使って研磨する。内面表面に付いているタンパク質、肉片はお湯につけておくと簡単にとれるようになります。表面が白く曇ったようになっている時は、240番程度の耐水ペーパーで濡らしたまま、親指でぺーバーを軽くこすると白い部分がとれます。ペーパーで研磨したときは、最後に必ず透明クリアーでこの磨いた面を塗装します。外面は結構汚れているので,しばらくお湯に漬けてから,たわしや釘などを使ってフジツボなどの付着物や汚れを落とす。ニッパーなどでフジツボや付着物をつぶしても良いです。
 傷の無い内表面を選んだり,スプーンの曲面に合う貝殻を選ぶと手に入れた貝殻の半数ほどしか使える貝殻はない。
鉛の板を使ったアクセサリーの作り方
(1) はじめは完成品の写真を参考にして、製作するアクセサリーの形状を決める。最初は円形、五角形、六角形などが加工しやすい。
(2) 型紙用厚紙に型を描いて、カッターやハサミで切り取り型紙を作成する。
(3) 鉛板にサインペンで型を取る。1回に5〜6個を作ると良い。
(4) ハサミで切り出す。
(5) ヤスリ,サンドペーパーで研磨し切り口をなめらかにする。サンドペーパーによる研磨は,粗研磨150,中研磨240,仕上げ研磨400番など,3種類の荒さのものを準備した方がよい。150番、240番程度だけでも丁寧に研磨すれば間に合う。日曜大工店で手に入り,ペーパーの裏に番数が記載されている。
(6) ドリルで1.5から2mm程度の金具を通す穴を開ける。6mm程度のドリル刃を手で回してバリを取る。
(7) 図のように 文書を留めるクリップを180°内側を回転させて曲げるとS字型になるので、一方をスプーンの孔に通し、クリップを持って塗装する。
クリップをこのように変形  段ボールにクリーニング店でくれるハンガーの針金
(8) アワビかアコヤの貝殻を張ることを予定しますので、貝殻の光が目立つようにバックは黒とします。
水性蛍光塗料 アサヒペン 水性エナメル黒25mlで二度塗り。乾燥させるとき、下部に垂れが出来るので、乾燥する前に紙で拭き取る。段ボール箱に、クリーニング店でくれるハンガーをペンチかニッパーで切って何本か手が入る程度の間隔で平行に刺して、ここにクリップを掛けて乾燥させる。塗料が垂れるので、底に新聞紙を敷き、汚れたら交換する。
(9) アワビ、アコヤ貝から貼り付ける貝殻を切り出す。円形の場合は鉛板の両側が5mm程度空く程度の大きさの型紙を作り(例えば、円形)、鉛筆で貝の裏側に写し取り、糸鋸で慎重に切り出す。切り出した後の貝殻を利用しても良い。

(10) 貝殻の裏側に両面テープを貼り、はみ出した部分はハサミで切る。凹凸が激しい場合は図のように置いて板を載せ、軽く金槌でたたき、ひびを入れて平らになるようにする。

 貝殻の裏側に両面テープ 板を置いて軽くたたいて平らに

(11) 鉛板を図のように曲げ、貝殻の両面テープを剥がし、鉛板に貼り付ける。貝殻の張っていない所に写真のような、小さな円型のホログラムシールを張ったり、後に述べるデザインシール等を張る。
両面テープで貝殻固定 透明な接着剤で覆う
 
(12) 貝殻の角部が当たり危険であるので、図のように透明な接着剤を多めに付け、楊子などで広げて貝殻が接着剤で覆われるようにする。
(13) 裏側にホログラムシールを張ったり、金ラメを振りかけたりしてデザインする。
(14) 鉛板の両面を水性のつやだしニス等で二度塗りして仕上げる。ラメは一度目のニスを塗ったとき乾かないうちに振りかけても良い。
五角形の作図 モデルにしたマダイ用のスプーン

 下の写真の貝殻は、円形以外は、マダイ釣り用のスプーンか円形を切り出した残りの部分を利用しています。

スプーンをくりぬいた後の貝殻使用

半端の出たホログラムシートを裏面に貼る

丸いホログラムシールは書類用穴あけパンチで

裏面にホログラムシール

緑色は夜光塗料 すべてアコヤ貝

右2つはアコヤ貝使用
銅板を使ったアクセサリー アワビとアコヤ貝使用
 基本的にはマダイ用スプーンの作り方と同じで、銅板をたたいて、凹面を作り、貝殻の裏面に貼り付けて作ります。銅板をたたくとき少し技術がいります。接着剤の代わりに、自然素材で抗菌・消臭効果のある建材の「チャフウォール」を使用しています。アクセサリーと、ご要望に応じて、帯留めも作りました。帯留めの金具はネットで購入できます。
中通しスプーン
@アワビAアコヤ貝B裏面カラーシート
銅板に貝殻貼り付け
スプーン
@ アワビAアコヤ貝
銅板に貝殻貼り付け